精緻に描き直されたグラフィック
※ 左はオリジナル版の画像
右はリバイズド(以下、刷新版)での同様の画面
冒険の出発点であるコーネリア城を見比べてみよう。
『ファイナルファンタジー I』の頃は城壁にパースがつけられていたのだが、刷新版ではこれをII以降のシリーズと同じような雰囲気に修正している。さらに、森や海のグラフィックも色使いの段階から全て修正が加えられている。
ここに公開されることになった刷新版『ファイナルファンタジー I』。
一言で“刷新”とは称しても、遊びによる改変や、いたずらなリテイクを目的としたわけではない。
そもそも、黎明期に生まれた『ファイナルファンタジー I』は、作品イメージの観点から見たときに、未成熟な部分が散見されるのは否めない事実だろう。
それを補正し、純粋な視点から
『ファイナルファンタジー』そのものを見つめ直すことができるようにすること———
それが今作の刷新の根底にある思想だ。
この刷新は、やみくもに行われたものではない。
目的は あくまでも、黎明期に生まれた作品を、黄金期のイメージに近づけて甦らせることなのだ。
では、それがどういったものなのか、これから見ていくことにしよう。
※ 左はオリジナル版の画像
右はリバイズド(以下、刷新版)での同様の画面
冒険の出発点であるコーネリア城を見比べてみよう。
『ファイナルファンタジー I』の頃は城壁にパースがつけられていたのだが、刷新版ではこれをII以降のシリーズと同じような雰囲気に修正している。さらに、森や海のグラフィックも色使いの段階から全て修正が加えられている。
※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面
これはそのコーネリア城 内部の様子。
壁や柱・階段などのマップチップや、城内にいるキャラクターまでが配列レベルから根本的に修正され、可能な限り より後のシリーズに近い形へと生まれ変わっているのがわかる。
※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面
こちらはエルフの城内部。コーネリア城と同様に、こちらも根本的に修正されている。色使いはもちろんのこと、国旗や水路など、世界観を補完するための要素が加えられているのが見て取れる。
刷新版は、このような修正が随所に施されているのだ。
また、キャラクターグラフィックについては、以降のファミコンシリーズやゲームボーイ(ファイナルファンタジー外伝)でドットキャラクターデザインをされた、石井浩一・渋谷員子 両氏の意匠を極力受け継いだ形で描き直されている。登場キャラクター全てに行き届かせられたこの修正も、当時のスクウェアファンならば感涙もののはず。
※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面
修正されたのは移動シーンだけではない。バトル画面でもその思想は貫かれている。
キャラクターグラフィックがIIIでの統一感のあるものに差し変わっているのはもちろん、敵のグラフィックもその全てが描き直され、モンスターデザインの天野喜孝氏の元絵をなるべく忠実に再現したものとなっているのだ。
このように、刷新版はある一貫した思想を基にして制作されている。“オリジナル版よりもオリジナルらしい”雰囲気を再現するような試みが施されているのだ。
もちろん、その対象はグラフィックだけではない・・・!
© 1987 SQUARE
Original Programed
by NASIA
Original Scenario
by Kenji Terada
FinalFantasy-Logo
© Yoshitaka Amano
2007 Revised by HiBlank