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“改訂(リバイズド)”それは、極限までのブラッシュアップ—敬意を基に築かれた、新たなる“回帰”

刷新版『ファイナルファンタジー I』で修正されたのは、グラフィックだけではない。

登場人物の台詞やアイテム名に始まり、魔法・アイテムの効果説明からバトルメッセージに至るまで、テキスト面でも大幅な修正が加えられている。およそ全て、ほとんどのテキストが改善されているのだ。

これから紹介する要素を見ていけば、この点についても、やみくもな改変とは違う“本物の匂い”を随所に感じる刷新であることがわかるはずだ。

より臨場感を感じさせる台詞

オリジナル版・刷新版 比較
オリジナル版リバイズド(刷新版)

※ 左はオリジナル版の画像
右はリバイズド(以下、刷新版)での同様の画面

『ファイナルファンタジー I』の頃は、町の人などが素っ気ない台詞を発する場面が少なからずあった。刷新版では、こうしたキャラの外見や場面にそぐわないような台詞を修正して世界観を補正している。

オリジナル版・刷新版 比較
オリジナル版リバイズド(刷新版)

※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面

こちらは、意味を取りやすくするために改行位置を変更したうえで、“ファナルファンタジーらしい台詞まわし”に修正している例。
これは細かい修正がなされた例だが、あえてオリジナル版とはニュアンスを変えたり、シナリオの流れをより深く味わえるように、イベントの印象を全く変えるほど大幅に変更されている台詞もあるのだ。

オリジナル版・刷新版 比較
オリジナル版リバイズド(刷新版)
オリジナル版リバイズド(刷新版)

※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面

オリジナル版と全く印象が変わっている部分の代表として、主人公たちの台詞の存在が挙げられる。『ファイナルファンタジー I』の頃は、主人公たちではなく、ナレーション役の第三者が状況説明するようなメッセージ文が散見されるのだが、刷新版では、こうした台詞一つに至るまで、徹底的に修正している。
つまり、オリジナル版からあえて変更したことで、実際にプレイしているときに“冒険の空気”がより強く印象づけられるようになっているというわけだ。

台詞のみに留まらないテキスト刷新

オリジナル版・刷新版 比較
オリジナル版リバイズド(刷新版)

※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面

大幅に変更が加えられたといえば、この場面。復活=教会という、ファイナルファンタジーらしからぬ設定そのものが変更されて、復活の泉という別の施設に差し変わっている。
ちなみに、実は『ファイナルファンタジー I』の頃は、アイテムとして「フェニックスの尾」は存在していない。変更されたテキストに、このようなワードが散りばめられているのを一つ一つ発見していくのも、オールドファンにとっては楽しみになるかもしれない。

※ 双方とも刷新版の画像

ただ単にテキストのみを修正して実現したものばかりではない。左は、オリジナル版にもデータ上は存在しながらも使われていなかったボツ台詞を修正し、ゲーム中に表示されるように改められた場面。右は、全く新しくなったゲームバランスを元に、攻略ヒントとして追加修正された台詞だ。オリジナル版からあえて変更した部分は、このように台詞テキストの修正だけではない他の部分の修正までを加えているものも多いのだ。

システム面にまで及ぶ数々の修正

オリジナル版・刷新版 比較
オリジナル版リバイズド(刷新版)

※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面

あえて変更したというのが最もわかりやすいのは、魔法や武器類の修正だろう。『ファイナルファンタジー I』の頃は、「サンガー」「フレアー」など、黎明期であるが故の独特の名称が数多くあるのだが、これらは当然ながら修正されている。
しかし、実際には名称の変更だけではなく、高レベル黒魔法のほとんどが即死系であった点や、黒魔法に「テレポ」が分類されているなどといった根本的な所までも、出来うる限り調整されている。

オリジナル版・刷新版 比較
オリジナル版リバイズド(刷新版)
オリジナル版リバイズド(刷新版)

※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面

『ファイナルファンタジー I』には、アイテムや魔法などに使用効果説明が用意されているものがある。しかし、ナレーション役の第三者が説明するようなこのテキストは、世界観を補足する意味ではあまり適切ではないとも受け取れるものだった。刷新版では、このような部分については、あえて中立的に解説を表示するテキストへと変更を行っている。
また、説明文としては大幅な変更をしていなくとも、表示情報として可能な範囲での再構成が試みられている部分もある。

オリジナル版・刷新版 比較
オリジナル版リバイズド(刷新版)
オリジナル版リバイズド(刷新版)

※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面

アイテム説明についても同様に、消費アイテムに関しては中立的に解説を表示するテキストへの変更が基本となっている。
ただし、イベントアイテムの説明文においては逆に、オリジナル版が中立的な解説だけで表示していたものから、よりストーリーに密接な繋がりを持つ情報として性格が強められているものが多い。
そして、イベントアイテムの効果説明の中には、単なる説明ではない形へと変更されたものも存在している。それがどういった姿になっているのかは、実際にプレイしたときに体感してみてほしい。

オリジナル版・刷新版 比較
オリジナル版リバイズド(刷新版)

※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面

さらに細かい部分では、ステータス画面なども、システム上の制約に阻まれない限りにおいて極力改善されている。ステータス値をより見やすい状態に修正したのをはじめ、「ウェポン」「アーマー」などの特殊な用語を排したり、本来隠しステータスだった値の表示を行えるようにするなどの工夫がなされているのだ。

オリジナル版・刷新版 比較
オリジナル版リバイズド(刷新版)
オリジナル版リバイズド(刷新版)

※ 左はオリジナル版の画像
右は刷新版での同様の画面

システム上の制約に阻まれない限りにおいてなされた改善を、もう少し紹介しよう。これはスタート画面とキャラメイキング画面だが、このように、ウインドウのサイズや表示位置の変更が可能であると判明した部分については、より後年の見やすい表示に近づけるような修正を行っている。
また、オリジナル版では、実は主人公たちの名前にはひらがなしか使うことができなかった。刷新版では、これをカタカナ入力の方がメインとなるよう改めている。

全ての再現は、“回帰”のために。

どうだろう、刷新版に込められた、“オリジナル版よりもオリジナルらしい”と称される雰囲気がどのようなものか、ある程度は伝わっただろうか。

しかし、その生まれ変わった全容は、文章だけでは伝えきれないのも事実だ。これまでの紹介に魅力を感じるようならば、ぜひ実際にプレイしてその姿を確かめてみてほしい。

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Original Scenario
by Kenji Terada

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