ウィザードリィ

容量
大容量パッチ
バッテリーバックアップ
発売日
販売禁止
(非営利公開中)
価格
予価 ¥ 0
(フリーウェア)

今の刻、
触れえざるもの———

君は、FC版『ウィザードリィ』シリーズに、一度でも触れたことがあるだろうか。

▲ほとんどの冒険者は単純で短いシナリオを超えた先に宿る何かを求めている

※画面は改作版です

かつての時に、“重厚な古典的ファンタジー”として、その世界を旅し、あるいは夢見(ゆめみ)、そして味わってしまっただろうか。

もし、そうであるならば、今という時は、「その芳香に存分に触れることの でき得ない時代」として、嘆きの渦中にいるかもしれない。

その世界を旅した多くの者にとって、今は、再び味わうに際しての障害が多くなってしまっている。あずかり知らぬところで幾多の困難が発生し、「再び触れえざるもの」として扱われる時代が訪れてしまっているのだ。

囁きと、祈り———

FC版『ウィザードリィ』シリーズを味わった者にとって、「ウィザードリィ」と「FC版ウィザードリィ」とでは、その響きが全く異なっているといっていい。

▲FC版ファンの多くは作中にシュールやシニカルなパロディは求めていないはずだ

※画面は改作版です

そして その場合、多くは、源流としてのPC版についてを知り愕然とし、「FC版ウィザードリィ」がいかに特別なものであったかを思い知ってしまっているだろう。

それは、言い換えるなら、“純ファンタジー”として かの時代に かの世界を体感し、そして愛してしまったか否か、ということでもあるはずだ。もちろん、そうであればあるほど、今日的には困難がつきまとう。

今は、ネットを通し手軽に数多(あまた)の情報を得られる時代になっている。しかし、そのほとんどは源流であるPC版やその差異について言及したものがほとんどで、かつて「FC版ウィザードリィ」を“純ファンタジー”として体感した者にとっての、手に入れたかった情報とは かけ離れていることが多いだろう。訪ね歩くも逆に「世界観とは何だ」と言われ困惑するケースの方が多かったのではないだろうか。

ここで公開する改作版は、そうした人々への一助となればと願いリリースすることにしたものだ。併せて公開する特集ページともども、救済策的に活用してもらえればと思う。

投げられた(さい)の、
その先———

改作版は、画面表示の大半がSFC版VやFC版IIIを参考に、それらを受け継いだスタイルでリファインされている。これは、コマンド表記や表示位置など細部にまで及んでいる。テキスト表示がメインの作品だけに、実際に目にしたときには より感じ入るものがあるはずだ。

また、当然ながら、表示フォントもSFC版V~GB版外伝 期の統一された字体に変更されている。

シリーズ作でも独特な雰囲気の画面構成となっているFC版 I を、シリーズ通しての見た目に合わせ違和感をなくすことにより、より深く 再び味わい直せるようになっているというわけだ。

残念ながら迷宮内のグラフィックは直せていないが、さらなる変更として、全てのイベント文章をより意味が通りやすくなるように改訂している。中には、後年に注釈を経て再解釈された内容を踏まえて整理されている文面もある。

もちろん、すべてのモンスターグラフィックは末弥純(すえみ じゅん) 氏の原画をなるべく忠実に再現する方向でリファインしている。元絵がない不確定モンスターについても同等の見た目になるような変更がなされていることがわかるはずだ。

なお、各画面で英小文字で表示されている部分があるが、これはダンジョン描画の「線画」の領域を削ってしまって実現したもの。「線画」でのプレイはできず、通常プレイ(迷路「面画(めんが)」)での体感を優先して この状態にまでしたものとして了承して欲しい。

見えざりしもの、
変異せしもの。

では、詳細に紹介しきれていなかったことを含め、改作版での変更の整理をしてみよう。

内部的に変わっている部分は以下のようになる。

基本的に、武器や防具の強さは変わっていない。武器は特に、数値の変更があったとしても平均の期待値が安定する(威力の振れ幅が抑えられている)ようになっている程度だ。

魔法についても、ほとんどが安定した振れ幅になる変更が加えられている。特に回復魔法は威力が全体的に高まり、より心強いものとなっている。これらの変更により、全体的に、使用回数を見定めながら より積極的に使っていくほうが有利になるようになっている。

※画面は改作版です

これに付随して、魔法効果を持つアイテムもほとんどが見直されている。外伝と同等の効果に差し替えられるなどの変更を通し、マジックアイテムを絡めた戦略を考えるだけの幅も生まれるようになっている。

敵については多少の経験値の見直し程度で本体の強さ そのものは変わっていないが、魔法やアイテムの威力の変更に付随して、後半に進むほど一味違った体感が得られるようになっている。

また、訓練場の初期メンバーは初期装備が全く違うため、普通にプレイする場合にも様々にやりがいが多くなっている。

これらによって、全体を通して、どちらかというと“TRPG的で一種独特なバランス”で進行するオリジナル版よりも、“和製RPGのようなプレイ感覚”に近くなるような変更が加わっている。

※改作において、『wiz1_pg_fix』を利用させていただきました。
(FC版のAC, 倍打, 防御, 罠外し 各バグを修正)
制作/公開された 5ch(2ch)【ハックロム総合スレ part7】642 氏に この場を借りてお礼させていただきます。

※グラフィック改作においては、『YY-CHR』を利用させていただきました。
この場を借りてお礼させていただきます。

とはいえ、何はなくともハックアンドスラッシュの爽快を求めるより、根底はリソース管理の感覚を養うツール的なところにあるとして、その世界を再確認するよすがとなればと思う。


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