Star Luster - Reciprocity
君は、遠山茂樹 氏の名を聞いたことがあるだろうか?
仮にその名は知らなくとも、ゼビウスのイラスト(ジャケットアートなど)を描いた方、というだけで、琴線に触れる人は多いかもしれない。
もちろん、その他にもアーケード作品であれば『サンダーセプター』や『GALAXIAN3』など、ナムコの数々のメカデザインに携わり、今なお中心人物として活躍されている方である。
なぜまずここから説明をしているのかといえば、近年になり、氏の担当された作品の大量の資料が公開されたのである。
その数々のタイトルの中において、現在ではナムコUGSF(連邦宇宙軍)シリーズの初期の傑作として位置づけられる『スターラスター』に目が向かないわけがない。
というのも、スターラスターにおいては主役機であるガイア・全敵メカのデザイン(≒説明書イラスト)はおろか、作中ドット・ジャケットアートまで、ビジュアルとして目につく部分はおよそ全て遠山氏が手掛けられているのである。
つまり、これに触発される形で公開することにしたのがこの改作ということでもあるのだ。
(なお、その実際を知るにつれ、後年の他機種版でのガイアよりも、“なぜその形になっているか”が込められ かつ 実用しても“実際に大型戦艦を上回る無類の本体性能を発揮する”オリジナル版のガイアをより深く愛するようになることは、ここであえて付け加えさせていただきたい。)
では早速、手始めに作中で一番目にする機会が多くなる、ガイアのコクピット表示をオリジナル版と比べてみよう。
まず、前方上部にあるキャノピー部分のフレーム表示は、外観イラストを参考に ややなだらかなカーブを描く形へと変更されている。
※画面は改作版です
また、ガイアのキャノピーで特徴的な、「機体サイドの中央付近にある 横長の台形を上下逆にしたような へこみ」にあたる個所が、キャノピー開口部のフレームとして レーダーディスプレイの左右にもその先端を見せるようになっている。(画面上では最も外にあるへこみの部分)
ちなみに、機体サイド下部(キャノピーの透過素材ではない個所)にあたる部分も、ここでは透過スクリーンで外部が見えているものとして解釈し、機体脇を通り抜ける敵の姿も見えるようになっている。(わずかではあるが、オリジナル版よりも見わたせる範囲が広くなっている)
なお、前方ディスプレイが据え付けられている機体前方の基幹部は、設定と照らしてオリジナル版よりも一体型ユニット的な見た目になるように上部のでっぱりが削られている。(本来の設定ではもう少しrのついた線の台形になっているのだが、現状ではここまでが限界だ)
※画面は改作版です
ディスプレイ両サイドのエネルギー残量やモジュールダメージの表示については、容量の都合もあって、現状では残念ながら他機種版のような派手なゲージ形状・ダメージ表示への変更には いたっていない。
ただ、その代わりとも とれるものとして、キャノピー最上部と両サイドの部分に、X68000版にあったような進路水準(青いマーク)が加えられている。
残念ながらワープ時の演出などといったところでの大掛かりな改修はされていないが、ここまで見たような変更が加えられているだけでも、実際に操作しているときの印象はオリジナル版とはまた違ったものとなっているはずだ。
その他、見た目上の変更箇所をオリジナル版との比較で追ってみよう。
目立つ変更はやはりキャラの見た目を中心としたものであって、ゲーム内容などに関しての変更・再調整は行われていないが、今作を改めて『スターラスター』に触れる機会として大いに活用してもらえれば幸いである。