スターラスター - The Mission of Revivalist 1


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GET KEY FIRST

スターラスターはリリース当時でも面白い作品としてとらえられていた作品ではあるが、その実、「なんとなく面白い」という印象が大多数で、「レーダーがなんだかよくわからない」という理由からあまり深くプレイできなかった人も多かったであろうタイトルでもある。

冗談抜きに「面白いんだけど回復の仕方がわからない」というプレーヤーさえも多かったのである。

▲説明書でのコンバットディスプレイの見方説明
(クリックで拡大)

それもそのはずとも思えるのが、マニュアル記載のコンバットディスプレイの見方の解説内容である。
回復の仕方がわからなかったプレーヤーを一方的に責められないことを踏まえてもらう意味でも、ここに説明書の該当ページを用意してみた。

改めて読んでみると、一瞬なんのことだかわからないだろう。要するに、習熟したプレーヤーであっても、注意深く読み込まなければ記載された内容の意味がわからないかもしれない記述なのである。

こうしたこともあって、当時レーダー表示の理屈が理解できず何となくプレイしていただけの人でも、理屈を理解した上で再評価することができるよう、ここではあえて、スターラスターをプレイするための初歩の初歩、コンバットディスプレイの見方を集中講義としてとり行いたい。

Revolves your Key

まず、コンバットディスプレイの中心にある▼について。(図:fig.1-a)

この三角マークは単に視界前方を表しているものではなく、コンバットモード時に“実際に画面で見える範囲”を正確に示している。


▲水色の四角錐(しかくすい)が実際の画面で見える範囲

説明書にあるような鳥瞰図で表すと、このようなピラミッド状の範囲で表すことができる。(図:fig.1-b)そして、この四角錐(しかくすい)の内側に敵がいると、戦闘画面でも実際に“その位置に”敵が表示されるというわけだ。つまり、“ゲームだから二次元で簡易的に表しているレーダー”なのではなく、“実際に三次元の情報が表示されているレーダー”なのである。習熟したプレーヤーはコンバットディスプレイの三角マークをこのようにとらえていると思ってかまわない。

次に、コンバットディスプレイの見方が分からないプレーヤーがもう一つ同時に誤解している情報がある。上下キーの役割である。
どういうことかというと、コンバットディスプレイの見方を知らないプレーヤーはほぼ例外なく、上キーを押すと上に、下キーを押すと下に“進んでいる”と思っているのだ。

これも実際のところ、説明書の記載が上下キーを上昇・下降と記述しているため誤解が生じやすいのではあるが、実際の上下キーの役割は回転である。であれば、左右キーの役割も当然ながら回転である。

ここで混乱する人もいるかもしれないのでそうした人に向けてあえて説明すると、スターラスターの世界ではAボタンを押すとき以外はガイアは推進運動を行っていないと思っていい。十字キー押下時にその方向に進んでいると思っていたのなら、“敵の方が自機に近づいてくる”のを自機が推進していると錯覚していたという方が実態に近いことになる。

各入力についてまとめると、このように言い換えられる。

イメージ的には、十字キーは姿勢制御システムで方向転換するために用い、Aボタンは推進用スラスターで前進するために用いる、という制御を想像すると、より臨場感をもった把握ができるだろう。
なお、Aボタンは離した後も慣性が働いて前進し続ける(スラスターの推力がしばらく残る)ため、狙った位置で停止したいとき(ベースや惑星をロックオン圏内に(とど)める)にはセレクトボタンを使う。(慣れないうちは「一度ディスプレイモードを切り替えて慣性を殺し、もう一度セレクトボタンを押してモードを戻す」ととらえると混乱しないだろう。)


▲スターラスターの移動は立体空間
つまり、高さの概念が重要である
自機の〔真横から見た空間情報〕を
素早くイメージする必要がある
(三角が画面で見える範囲)

これだけでも誤解していた人にとっては目から鱗かも知れないが、スターラスターは“昔の作品だし見た目も2Dなので各種情報も2Dのものから疑似的にそれっぽく変換して見せている”のではないということだ。

上にまとめ直した入力操作を見ればわかるとおり、スターラスターは、完全に空間の高さの概念も考慮した入力系と画面表示になっているということである。要するに、“見た目こそ2Dではあるが、扱っているのは3Dの立体空間の情報”なのである。(図:fig.1-c参照/fig.1-bも再確認するとよい)

それでは次に、このことを実感するために用意した次の図を見てもらいたい。


光点(ブリップ)の位置が同じでも
実際に画面で見えるのは
Aのキャラだけとなる

コンバットディスプレイでこのように光点(ブリップ)が表示されているケースがあるとしよう。(図:fig.2-a)

しかし、この図の場合なら、該当キャラがいる高さがA・B・Cどれであってもコンバットディスプレイ上では同じ位置に光点(ブリップ)が表示される。(図:fig.2-b)(ここでは便宜的に該当キャラが自機より高い位置にいる場合を見ているが、自機より低い配置であっても同じことである。)そして、この位置関係の場合、実際に画面に登場するのは(図:fig.2-bで三角で示した視界に入っている)Aのキャラだけだ。

これこそが、コンバットディスプレイの見方が分からないプレーヤーは回復の仕方がわからない(ベースにたどり着けない)という事態の真相である。

なぜなら、アドベンチャーモードではベースなどと位置関係がもっと広いケースが一般的だからである。次の図を見てほしい。


▲アドベンチャーモードでは
より高低差がある情報を扱う

先の図(fig.2-bにおける例えばCまでの範囲)をコマンドモードでの一般的な高低差位置関係とするなら、アドベンチャーモードでは高低差が極端にある位置関係のケースが恒常化する。(図:fig.3-b)

コンバットディスプレイの光点(ブリップ)位置が全く同じでも高低差の情報が全く違っていることがわかるだろう。

入力操作の認識に加えてコンバットディスプレイの見方が分からない状態の場合、これはもう運以外ではたどり着けないはずである。
さらに加えるなら、コマンドモードであろうとアドベンチャーモードであろうと、このような状態にあっても1分以内程度でベースや惑星に接触できる程度にまで操作を習熟していなければ、もはやどうやってもクリアできないのである。

では、ベースや惑星に素早く接触するために熟練プレーヤーはどのようにしているのだろうか?

まず、熟練プレーヤーは高低差が分からない状態ではここまで(図:fig.2-aやfig.3-aにおける位置まで)コンバットディスプレイの三角の内側に光点(ブリップ)を近づけないのである。端的に言うと、熟練プレーヤーともなると三角の底辺側を重視するようになる。(画面一番奥にあたる位置の情報を読みにいく)

それでは、次の図を見てほしい。


▲上キー入力は、イメージ的に
このような回転を行っている
ものととらえるとよい
横図で考えると、なぜ光点(ブリップ)
コンバットディスプレイ内では
遠ざかってしまうのかもわかる
だろう

光点(ブリップ)がこの位置にきていても
対象を画面に確認できない場合
高低差が合っていない
この場合再び回転と推進を行う
慣れると光点(ブリップ)がこの位置のとき
画面奥に対象を捕捉できるかを
重視するようになる
(=三角の底辺を基準に扱う)

高低差が分からないとき、熟練プレーヤーはまず、コンバットディスプレイに対象キャラの光点(ブリップ)をこのような位置関係に持ってくるのが基本形である。(図:fig.4-a)

対象物が遠くにありすぎてコンバットディスプレイに表示されていないときは、まず左上か右上のどちらかに入力し続け、対象キャラの光点(ブリップ)を探すことから始める。このときには一方向ではなく必ずナナメ入力を用いる。(その方が対象を捉える確率が高くなるため)
対象キャラの光点(ブリップ)を見つけたら三角の底辺側に持っていき、スラスターで前進をかけるのである。(三角の底辺側に光点(ブリップ)を移動するとき、高低差がありすぎるとコンバットディスプレイの上端からはみ出ることもありうるが、そのような時でもスラスターで前進をかけるのは変わらない。)
いずれにしても、この状態ができていないときはこの形までもってくるのが第一である。

スラスターを使い、対象キャラの光点(ブリップ)が三角の底辺の内側に到達しても(図:fig.4-c)画面内にキャラが現れない場合は、さしあたり上キーで回転する。(当然ながらナナメではなく上キー単独入力がメインになる。)このとき光点(ブリップ)が上に遠ざかっていくようなら一度回転をやめ、再びスラスターで前進をかける。(もし光点(ブリップ)が三角の頂点側(コンバットディスプレイの下側)に行ってしまうようなら下キーで回転し、基本どおりに三角の底辺側に光点(ブリップ)を移動させた状態に持っていく。)

これを繰り返す(図:fig.4-b)ことで実際の高低差がそろい、三角の底辺の内側に光点(ブリップ)が到達していれば画面内に対象キャラを捕捉できる状態になるのだ。

ちなみに、この理屈がある程度深まると、真後ろ方向に敵がいるときに上下キーで縦180°回転し、正面にとらえ直すようなことも普通にできるようになる。(左右キーで横回転したほうが距離感はわかりやすいのであまり使う場面はないかもしれないが)
(※なお、この時でも敵キャラの外見は上下反転していないので、視覚情報としても誤解を招いていた感はある。)

ここまで理解できると、スターラスターのコンバットディスプレイにある水色の三角には、実際に画面上にいる敵の位置がそうとう正確にプロットされていることがわかるようになるだろう。

SUPPLY COMPLETE

立体空間の把握についての話は以上だが、補足として、戦闘時における敵との距離感覚についても扱っておこう。


▲このあたりから奥は照準(ガンクロス)の見た目がビームの判定に近くなる(照準のある位置で当たる)

▲連射が効く位置
紫編隊相手なら危険度が高い
一度スラスターで大きく逃げることも視野に

▲ディスラプターや暗黒惑星は離れた方が敵弾を回避しやすい
なるべく遠くで戦いたい

▲レイトはこのあたりの距離を活用すると戦いやすい(スラスターで追う)

豆知識的なことになるが、照準(ガンクロス)は基本的に「距離のある敵を倒すときに活用するもの」と思った方がよい。このあたりが光線銃系のガンシューティングの感覚とは違った注意点だ。「スターラスターは弾が当たらない」と初心者は感じてしまうのもこの点にある。

事実、遠くの敵は照準のある位置でかなり正確に当たる。コンバットディスプレイの見方が分かるプレーヤーなら射程圏ギリギリ(ものすごく遠くにいる敵)でも確実に当たるのである。ガイアのプラズマビーム砲の精度の優秀さが感じられるほどにだ。倒せないのは敵を近くに寄せるなどして焦って大きく首を振りすぎているせいだと思った方が理解が早いだろう。

▲水色の四角錐(しかくすい)を立体としてイメージできるようになると照準の見方も変わってくる
照準も立体情報の一部として捉えるようになると、射撃能力も飛躍的にアップするはずだ
遠方の敵をものの一撃でヒットできるようになってから(連射にたよらず凄腕のガンマンよろしく一発の早撃ちで仕留める感覚がつかめてから)が本当の実践パイロットと言っても過言ではない

まず、3Dの情報を扱っていることを思い出してほしい。要するに、自分の手前では照準より遠い位置(中央ディスプレイに近い方)でビームが当たる。射程圏ギリギリならば照準の最中心部でヒットするということだ。(この感覚がつかめるにつれ、ガイアの照準が“飾りではなく実用のため”この形になっていると感じるようになってくるだろう。)

注意しなければいけないのは、距離が遠い位置のビームは連射で判定が消えてしまうことだ。逆に、自機手前ほど連射してもビームは当たる。連射で判定が消えるよりも先に敵にヒットするためだ。照準を使うような遠くの敵は連射しない方がよく、照準を使わない近くの敵は連射した方がよいということになる。

また、コンバットディスプレイの見方が分かるプレーヤーは遠くに敵をおいて(図:fig.5(a)・fig.5(c)程度)上下左右に細かく船首を振ることがある。敵弾回避に有効だからだ。遠くにいる敵も逆にこちらをロックオンしてくるので、小刻みに動いている方が撃たれたときに避けやすい。そもそも敵が近すぎると(図:fig.5(b)程度)敵弾回避が不可能なことが多いので、強敵相手の場合はこのようにしてやや距離をあけて戦うのである。(ただし、暗黒惑星はコンバットディスプレイの▼の範囲から外す、つまり画面外に一瞬でも逃すと回復してしまうので注意がいる)

なお、コンバットディスプレイの▼の範囲外の敵からロックオンされたり撃たれたりすることはない。真横や後ろ、真上や真下にいる敵などからは攻撃されないのだ。つまり、バッツーラの勢力はガイアを正面方向からしか攻撃できない。こうしたところにガイアに搭載されたクェーサードライブの持つ準ビッグバンパワーの真価が発揮されているのだろう。敵との直接接触もおそらく超短距離リープで時空間回避しているものと思われる。(最終的には、照準精度やビーム性能・旋回性能などから、ガイアそのものが驚異的に優秀な機体・オーバーテクノロジーの異物であることが実感として湧き上がってくるはずだ。)

それでは、ここでの解説はこのあたりにしておこう。これまでにプレイしたことはあってもよくわからなかった人などは、ここまでに見てきた内容を通して再び触れてみてほしい。きっと新たな発見があることだろう。

やや長めに説明してみたが、こうした情報もスターラスターを今日改めて見直す一助としてもらえればと思う。


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