※画面は通常のファミコン版です
『スターラスター』には他機種でのリメイク版が二作(X68000電波新聞社リメイク版(1994)・PS1『ナムコアンソロジー1』収録版(1998))、さらに後年になって他機種での続編一作(PS1『スターイクシオン』(1999))が、それぞれ存在している。
これを踏まえ、一度それぞれの作中でのガイアのコクピット内部を見比べてみることにしてみたい。
まず、最初にFCオリジナル版。直線的なラインで構成されたこのコクピットが最もおなじみのものでもあるだろう。
次に、ナムコ直接のリリースとなるPS1でのリメイク版と、続編である『スターイクシオン』のものを続けて見てみよう。
※画面はPS1『ナムコアンソロジー1』収録版『スターラスター』のものです
※画面はPS1『スターイクシオン』のものです
続けて、X68000において数々のナムコアーケード作品の名移植も手がけていた電波新聞社によるX68000版である。
※画面はX68000版『スターラスター』のものです
改めて並べてみると、ドットワーク全盛期のアーケードゲームそのもののような見た目になり、前方のフレーム部分も幅が広くとられているX68000版が画面の見やすさにおいて突出している。(実際に動かしてみるとフレーム部分や水準表示が別稼働で動き、見た目のギミックとしても凝った演出が仕組まれている)
※画面はX68000版『スターラスター』のものです
ただし、X68000版で前方のフレーム部分の幅が広くなり先端部の奥行きが浅く、レーダーディスプレイも薄型のものになっているように見える(機体前方が立てたフライパン状に縮まって感じられる)のは、X68000版のガイアのコクピットが、前方ハッチ内部にさらに一回り小さい搭乗ユニットを据え付けた設定に変更されているためなのだろう。(おそらく脱出ポッド+全天周モニターのような仕組みに変わっている)
さておき、ここでまず気付かされるのはそれぞれどれもゲージ類の形状がオリジナル版とは全く違ったものに変更されていることではないだろうか。特に、直線だったエネルギーバーグラフが円形に変わっているのが一番 目につく特徴だろう。
しかし、これも時系列を追って考えてみると、これらの前に挙げるべき別タイトルがあることは外せないだろう。当然ながら、ナムコUGSF作品群の金字塔ともいえるあの作品である。
※画面はPS1『スターブレードα』収録版の『スターブレード』のものです
そう。ゲーム性の違いこそあれ、BGM演出などからスターラスターとの相関性を想起させられた『スターブレード』(1991)である。
実際、X68000版はAC版のスターブレードにより近い部分が多くあり、照準、エネルギーゲージはほぼそのままである。ここで挙げているPS移植版の『スターブレードα』(1994)に比べ、照準の形やエネルギーゲージの枠などにおいてAC版スターブレードをより忠実に再現しているほどである。
(ただ、このX68000版の照準は最中心部が即座に判断し難いため、実際のところ射程圏ギリギリの情報も瞬時に活用したい『スターラスター』では扱いづらい)
※画面はX68000版『スターラスター』のものです
突っ込んでしまうと、X68000の性能をもってしても直接スターブレードの移植は困難であったため、代替として白羽の矢が立ったのがスターラスターだったのではないかという見方もできてしまうが(ワープ時の演出や隠しボスの存在まで含めればなおのこと)、それはそれとして、X68000版で大きくアレンジされたエネルギーゲージ・モジュールダメージ表示がナムコ本家による以降の移植や続編においても逆輸入されるような形で引き継がれたように感じられるのは興味深いところだ。
(ちなみにスターイクシオンは、GAIAΣのキャノピー部設定やワープ時のSEなど、オリジナル版よりもX68000版のそれに似ているところがある。)
このあたり、ナムコUGSFシリーズを繋ぐ核となる要素、つまり、既存タイトルのリスペクトなどによる相互作用によって緩やかに連動している感覚にも似たものが感じられるかもしれない。