FE教団の想見

FE教徒は想う。想うがゆえにわずかな壁間にも
智を求める。求めるものは想像せよ。
さすれば与えられん。

～舞台設定から見る紋章アカネイア編との違い～

外伝の舞台、バレンシア大陸は世界史的観点からみると遅れた片田舎のように思えてしまうかもしれない。

しかし、「戦闘シーン」に注目すると別の顔も読み取れる。

◀普通に考えたらどう畳まれているのか全くわからない味方スナイパーの弓。ソフィア王国の技術力はかなり高そうだ

特に、味方スナイパーの持つ弓は懐(ふところ)（？）に入るほどコンパクトに畳まれていて攻撃時に素早く展開するのだが、それを支える技術力を考えたとき、なかなかに工業技術が発展した世界であることがうかがえる。

となると、もしかしたら軍事だけではなく市民生活にもその恩恵は及んでいるのかもしれない。

などなど、FE教団に身を置くとき、漠然と見逃しがちな戦闘アニメからも思わぬ発見をすることになる。

紋章の謎と行き来するときにこんなところに目を向けると妄想力も自然と鍛えられたりする。

FE外伝は、注意を払うと舞台そのものに対しても浮かび上がる謎がある。

それはバレンシアが“大陸”と呼称されていることである。

個人差はあるかもしれないが、外伝を一通りプレイしたときに感じられるであろうスケール感は、全土がせいぜい関東圏くらいの広さ（北関東と南関東としても関連イメージしやすいだろう）でもって進行していそうな雰囲気なのではないだろうか。

この点、オリジナル版では、わずかながらに示される距離感が判りそうな台詞として、「（バレンシアは深い谷によって南北に隔てられており）水門の管理次第でソフィアが海に沈む」というくだりがある。

◀いきなり様付けで唐突な報告をされたら人間性チェックを疑いたい

※画面はオリジナル版のものです

ただ、この話にしても、もしそこが“大陸”ならば実際起こりうる現象なのかどうかと疑念が生じてしまうのである。（当然ながらそこが広いほど起こりえないだろう）

そして、「いやいや、関東というよりせめて北海道くらいはあるでしょ？」「待て待て、さすがに日本全土くらいの広さはあるんじゃない？」となったとしても、やはりそれは大陸ではなく“島”なんじゃないの？と思わざるを得ないのである。

そこが本当に大陸なのかどうか、それはもはや明かされることもなく、知る必要もないかもしれない。とりあえず、ロマンを残しておくとすれば、アカネイアの実情を知る者があえて攻め込むに難い広大な土地であったと誇大に報告したという可能性であろうか。

もちろん、バレンシア自体はその後千年くらいは安泰らしいことは付け加えておきたい。